雑に記すと書いて雑記(仮)

アニメ、漫画、ラノベなどについて感想などを書きます。

『フツーに聞いてくれ』感想&考察 フツーに短かった?

 

どうも。

 

今回は藤本タツキ先生原作の読み切り漫画、『フツーに聞いてくれ』を読んだ感想を書こうと思います。

shonenjumpplus.com

 

フツーに読んだ感想

 

久々の藤本タツキ先生の新作(原作だけど)ということで楽しみにしていたこの作品を読んでみて、まず思ったのは

「あれ、短くない? これで終わり?」

でした。

『ルックバック』が143ページで『さよなら絵梨』が214ページだったこと考えると今回は本当に短いですよね。まぁ「勝手に思い込んでいただけだろ」といわれると反論できないし、実際そうなんですが。

しかし、それで変なオチの付け方してるとは思いませんでした。簡単に話をまとめると

主人公がヒロインに曲で告白

ヒロインは告白を拒否して、それを拡散し、意図していない多くの人の目にはいる

その結果、主人公の意図しない面白みのある解釈のされ方で盛り上がる

主人公が二曲目『フツーに聞いてくれ』を公開 特に面白みもなく、面白みのある解釈をする余地もなく、ただ批判され主人公、曲を削除

ヒロインだけは主人公の曲の真意を理解していた。それを知った主人公感激

という流れです。キレイにまとまっていると思います。

ただこれまでの藤本タツキ先生の作品は初めの流れから二転も三転もするような展開のひっくり返し方をしていて、例えるならば起承転結の転がいくつもあるような印象でした。それに比べると今回の作品はよく言えば王道、悪くいえばごくごく普通に終わったな、とは感じました。まるで奇抜な一発ネタだけのTwitter漫画を読んだ感覚になりましたね。もちろん、書いているプロの漫画家ですので細かい描写もどこかリアルに見えましたし、意識しているのかはわかりませんが実際にあったことをモデルにしているような描写もあって、少し笑えました。

 

異常な読み方をした感想

 

この作品において『フツーに聞いてくれ』のフツーというのは変な解釈をしないでくれ、つまりその曲のテーマ(作中の主人公の曲であれば告白がテーマ)にそって聞いてくれ、ということだと解釈しました。そこから考えるとその曲の内容を深読みして別のなにかと関係があるかのように考察したり、細部に隠れたメッセージを疑うのは『異常な聞き方』ということになります。では、この漫画を異常な読み方をするとどういう読み方ができるのか。

『異常な読み方』をすると、これは藤本タツキ先生による「俺の作品を深読みするのはやめてくれ」というメッセージだと読み取れます。

今までにも藤本タツキ先生の作品が、いわゆる深読みをされることはありました。私が覚えている範囲でいうと、例えば、チェンソーマン』の銃の悪魔が自由を意味する(銃が日常にあり、自由の国といわれるアメリカが所有していたことや銃=じゅう=じゆうと読めることから)と言われたり、読み切り『ルックバック』では作中のとある描写が実在の事件を表していると話題になったりなどです。

特に『ルックバック』の件に関しては、この話題が大きくなりすぎた結果、作中のセリフが変更されることになりました。

そんな藤本タツキ先生の新作が『フツーに聞いてくれ』でした。これは、やっぱり、そういうことなのか……? 考察しすぎる読者に対するメッセージなのか……?

いや、少し待ってください。この作品を『フツー』に読むならば、この作品は恋する主人公が紆余曲折を経てヒロインに気持ちを伝えるという、少し変わった恋愛漫画です。この作品を藤本タツキ先生からのメッセージだと読むこともまた、『フツー』に読んでいない、『異常』な読み方ということになります。

それでは、この作品はどう読むのか正解なのでしょうか? 個人的にこの作品は「深読みするな、フツーに読んでくれ」というメッセージを読み取ることもできるが、そう読むことが既に深読みをしている、フツーに読めていないことになるという考察しがちな読者に矛盾を突き付け、悩ませるいたずらごころのこもった作品なのではないか、と考えました!

……書いてみて思いましたがこの考え方こそ深読みのし過ぎですね。無理があります。これならただ「深読みしないでくれ」というメッセージの込められた作品だと考えるほうが自然だと思います。一つの考察として書き残しておきます。私は無理やりなものでも、物語の考察を読むのもするのも好きなので。

 

まとめ

 

色々書きましたが、こういう「周囲の勘違いによって問題が意図しない方向に大きくなっていく」というテーマの作品はあまりないと思いますので、深読みしても、普通に読んでもどちらでも楽しめるいい作品だったと思います。ただ、せっかく面白そうなテーマなのだから、もう少しページ数は多くしてほしかったなというのが、個人的な我儘ですが書いておきます。

 

あとがきというか蛇足

 

 感想記事を書くのはすごく久々になります。日常生活が忙しくなかなかブログを書くのが後回しになりました。『シンウルトラマン』の感想も書こうと思っていたのですが、どう書こうか迷ってるうちに書く気がうせてしまいました。それで最近、久々にブログを見てみると過去に書いた記事がすごく閲覧されていました。(見られていたのはさよなら絵梨の記事だったので、今回の読み切り掲載の影響だと思う)それもきっかけですが、今回の読み切りの感想は書いておきたかったので久々に感想記事を書きました。

久々ということとそれに思うところもあってかなりの長文になってしまいましたが、やっぱり感想を文章にするのは楽しいですね。これからも短くても定期的にブログをかけるようにしたいです!

ちなみに『シンウルトラマン』の個人的感想は☆2.5個という感じですね。☆五個中です。

それでは。