雑に記すと書いて雑記(仮)

アニメ、漫画、ラノベなどについて感想などを書きます。

『さよなら絵梨』感想 この話、傑作です※ネタバレ注意

 

どうも。

今回はジャンプ+で掲載された藤本タツキ先生の『さよなら絵梨』を読んだ感想を書きたいと思います。

 

初見の感想

 

まず、この作品を一番初めに読んだ時、初めに感じた感想は、

「この作品、作者の趣味だけで書いてない???」

でした。

と思った根拠は

  • ヒロインの性格
  • 映画が物語に深く関わる
  • 爆発オチ

この辺りからそう思いました。

一つ一つそう思った理由を説明していきます。

まずヒロインの絵梨の性格ですが、主人公を引っ張って部屋まで連れて行き、「お前に映画を見せて知識を詰め込み、最高の映画を作るぞ」と宣言する、そんなキャラです。

作中では自分を美少女だと自称するシーンも出てきます。

これは私の個人的な考察なんですが、藤本タツキ先生はこういうキャラ好きだと思うんですよね。例に出すと『チェンソーマン』のパワーとか。(ほかにも読み切りにこんなキャラがいたような気もしますがぱっと思いつきませんでした……。)

次に、映画について。藤本タツキ先生の作品には『チェンソーマン』にしても『ファイアパンチ』にしてもそうですが、映画が物語によく関わってきます。また、他漫画家の方との対談では、「韓国映画のような漫画を描きたい」という趣旨の発言も行っています。

最後に、爆発落ちについてですが、B級映画には爆発オチがよく出てくる、気がします。例を挙げろと言われると困ってしまいますが、多分爆発オチは先生も好きなはずです。というより、略脈なく趣味のネタを詰め込んでどんでん返しからの爆発オチでキレイに(実際初見でも爆発までの流れはキレイだと思った)締めたのかな?と思ったんですよね。

こういう理由から

「あ、この話趣味で作ったんだな。でも普通に面白いし、やっぱ藤本タツキすごいや。」

という感想を抱きました。まぁ、期待外れとまでは言いませんが、ハードルを上げすぎた感はありましたね、初見では。

 

二回目読んだ感想

 

一日あけました。正直、二回も読まなくていいかなーとは思っていました。

ただ、SNSで別に見る気がなくても感想や考察が流れてくるんですよね。

そういうのが目に入るともう一度見返したくなるわけです。手軽に読める漫画だと特に。

もう一度読んでの感想は、

めちゃくちゃいい話でした。いや本当に。

人の意見に左右されただけじゃね?って思われても仕方ないですけど、本当にもう一回読みなおしていい話だなと思いました。

理由を軽く語ります。

そもそも、私がこの話の中で一番「ん?」となった部分はラストの一連の下りです。

  • 『映画は公開できて幸せに終わった』が映画の中の話から打って変わって現実の主人公の悲惨な独白
  • 映画から現実に展開が移ったと思ったら急に爆発して終わり

この二つが引っかかっていました。

大きく話がひっくり返ったのはいいんですけど、その意味をいまいち理解できてなかったんですね。

ですが、もう一度読んで理解しました。そもそも、この漫画自体が一つの誰か(おそらく主人公?)が作った映画です。それは、1ページ目が誰かがスマホを持った絵から始まるところからも考えられます。

そして

主人公の独白→死んだはずのヒロインに会う→ヒロインとの会話→爆発

という流れも映画だったからこそです。

そう考えた結果、私は疑問に思っていた描写が腑に落ちました。

疑問に思っていた展開も必然性のあるものだったわけです。

この漫画はすごく面白いマンガです。間違いなく。

 

いや、それぐらいの展開についても理解できなかったの? てか初見で微妙だと思うの読解力なくね? と思う方も多いかもしれません。言われても仕方ないですね。うーん、悔しい。

 

爆破オチについて考察

 

少しだけ考察します。オチの爆破についてです。

爆発オチについては要素自体は作中に出ていたとはいえ、これをオチに持ってくるのは少々唐突に思えました。

おそらく同じようの持った人は多かったのではないでしょうか?

私は爆発オチにすることでこの作品のテーマが『映画』であることを確定させているのではないか、と考えました。

うまく説明できているか不安ですが、もしここで絵梨と会えてハッピーエンド!にすると、この作品の主題が『映画』から『絵梨』になってしまうと思いました。

もちろん、絵梨もこの作品にとって重要な人物ですが、あくまでこの作品で一番重要なのは映画(を作ること)ですから。

それに、先ほども言いましたがこの作品は漫画でありながら映画として書かれていると思います。爆発オチを行うことでそれを確定させているのではないか、と考えました。

 

 

まとめ

 

初見では評価に困る作品でしたが、もう一度読んですごい話であると評価が変わりました。(もちろん、微妙だと思う人の気持ちもわかります。一時的にですが、同じ感想を持ちましたし。)

映画を作ることや、映画というものの価値についての話も興味深いですし、なにより『映画の中で映画を作る映画の話』という難しい構造の話をすごく面白く描かれています。

 

やっぱり藤本タツキ先生はすごいですねー。

こういうすごい作品を無料で読ませてくれるのは本当にありがたいです。

チェンソーマンの二部も楽しみです。でも、まずは早くチェンソーマンのアニメの続報が欲しいよ。

長くなったので終わります。

それでは。